
美容室のリピート客が業界の最重要テーマになってきた理由
2024~2025年の美容業界では「集客が伸びない」「ホットペッパー経由の来店が減った」「広告費の高騰で利益が残らない」という声が、これまで以上に増えている状況です。
その背景には、新規顧客が過去のように簡単には取れなくなっている市場構造の変化があり、今、美容室は “新規依存”から“リピート重視”へと戦略の転換 が求められているのです。
しかし多くのサロンでは、「技術を提供していれば自然とリピートされる」という考えがまだ根強いままであり、明確なリピート設計がされていないケースが非常に多い状態である。
この状況を変えられなければ、広告をかけても利益は薄くなり、経営はどんどん苦しくなるのです。
“美容室 リピート”の重要性が高まっているのは、新規集客が悪いからではなく、
お客様が戻ってくる仕組みをつくれたサロンが、安定して売上を伸ばしているため でもあります。
なぜ今、美容室は“リピート客設計”を見直す必要があるのか
● 理由①:広告費の高騰で新規単価が年々上昇している
2020年頃と比較すると、1名の新規集客に必要な広告費は約1.5~2倍になっています。
「新規は来るが利益が残らない」という店舗が増えているのはこのためである。
これはホットペッパーだけでなく、SNS広告・Google広告を使っても同様の傾向です。
● 理由②:店舗数は増え、人口は減っている
美容室の店舗数は約26万件。人口1人あたりの美容師数は世界トップクラスです。
競争が激しい環境で、“一度来たお客様を失わないこと”は最も効率の良い成長戦略であると言えます。
● 理由③:お客様の選択肢が増え、“浮気する”ハードルが下がった
昔のように家の近くや職場の近くで選ぶ時代ではなく、SNSや口コミを見て気軽に変える時代になりました。
サロンとしては、感覚だけに頼らず、 「仕組み」でリピートをつくる必要性が高まった ということになります。
美容室が取り組むべき“リピート客設計”の全体像
美容室のリピートは、感覚や技術だけに依存しているわけではありません。
設計図 が必要です。
その設計は、大きく分けると次の4つのステップになります。
- 初回来店の満足度の最大化(第一印象の設計)
- 次回来店の必要性を明確に伝える(提案設計)
- 再来を促す仕組みを設置(予約導線の設計)
- 長期リピートをつくるコミュニケーション(関係構築の設計)
この4つが揃うことで、初回来店から再来、そして長期のファン化までの導線が完成するのです。
美容室のリピート客を最大化する「初回満足度」の設計
サロンが最初にチェックすべきは、
初回体験時の満足度が充分か という点です。
「仕上がりが良かったらリピートする」と考えがちですが、実際の再来の決め手は仕上がりだけではなく、
感情・期待・安心感 が大きく影響しています。
● 初回来店で満足度を高めるためのポイント
① カウンセリングの質を上げる
時間をかける必要はありませんが、
・悩みを言語化してあげる
・解決策を複数提示する
・来店周期の目安を伝える
ここができていないサロンは非常に多い状態です。
② 仕上がりの「理由」を伝える
ただ施術するのではなく、
「なぜこの薬剤なのか」「なぜこのカットなのか」
この “理由の可視化” が安心感を高めます。
③ サロンの価値観(世界観)を伝える
お客様は “どこでも良い” とは思っていません。
次回も来る理由を言語化することが大切です。
美容室のリピート客を高める“次回来店の提案”が重要な理由
多くの美容室で失われているポイント、それが 次回提案 です。
「次はいつ頃がいいですよ」と伝えているサロンは多いですが、
これはあくまで“アドバイス”であり、リピート設計とは言えません。
真の“次回来店提案”とは?
・スタイルが崩れる時期
・カラーが褪色する時期
・髪の毛の状態が悪化するタイミング
こうした理由とセットで 「この日に来ると一番キレイでいられる」という根拠のある提案 を行うことである。
ここを提案することで何が変わる?
- 再来率の底上げ
- 予約忘れによる流出防止
- “行く理由”が明確になり、迷わなくなる
- 広告費の削減につながる
「美容室 リピート」の成功しているサロンのほとんどが、この次回設計を徹底しています。
美容室のリピート客を支える“予約導線設計”のつくり方
● 次回予約が増えると売上は安定する
次回予約率が40%を超えると、安定性が劇的に変わります。
これを達成するには 手段ではなく導線 を整えることが重要です。
● おすすめの予約導線
① 退店時の次回予約
→ 最も効果が高い
② LINE公式アカウントでの自動メッセージ
来店から30日後に自動で通知
→ 「そろそろどうですか?」ではなく
「◯月◯日?◯月◯日は根元の伸びが目立ちやすくなる時期です」
と“理由”をセットにするのがポイントである。
③ 再来特典
値引きではなく、ミニトリートメントやホームケアのアドバイスなど 付加価値型 が望ましい。
長期的な“ファン化”をつくるコミュニケーション戦略
美容室のリピートは、単なる再来ではありません。
継続 と 関係構築 が揃ってはじめて本当のファンになります。
● 店舗がやるべきコミュニケーション
① LINEでの情報発信
月1回程度のペースで、
・季節のヘアケア
・キャンペーン
・美容情報
“売り込みすぎない”バランスが重要である。
② SNSでのサロンの世界観発信
世界観の統一されたインスタは、既存客の愛着を深めます。
③ アフターカウンセリング
施術後の注意点をまとめて送るだけで、満足度が大きく変わる。
美容室のリピート客を最大化するために、今すぐできる改善チェックリスト
以下は、即改善できる実践チェックリストです。
【初回満足度】
カウンセリングで悩みの言語化ができている
仕上がりの理由を説明している
サロンの価値観を伝えられている
【次回来店提案】
次回来店の最適時期を言語化している
髪質・履歴ごとに推奨周期を説明
“理由付き”の次回提案ができている
【予約導線】
次回予約の仕組みがある
LINEで自動リマインドを設定
再来特典が“付加価値型”になっている
【ファン化】
LINE or SNSで月1発信
アフターケアのメッセージを送っている
お客様のライフスタイルに合わせた提案ができる
まとめ:新規集客の時代は終わり。“美容室のリピート客”が未来の売上を決める
今の美容業界は、新規集客だけで売上を作るモデルが限界に来ています。
しかし逆に言えば、リピート設計を整えたサロンは、競合が増えても影響を受けにくくなる のです。
- 広告費に左右されない経営
- 安定した再来率
- 紹介が生まれやすい
- ファンが増えて売上が積み上がる
これが、“美容室 リピート”に強いサロンの未来である。
あなたのサロンでも、今日から「仕組み」を整えることができます。
その最初の一歩は、
「次回来店の理由を言語化すること」
ここからすべてが変わり始めます。
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